瑠璃一味のお戯れな学園生活

「このっ!」

一太刀程度で怯みはしない。

シンは傷を庇う事もせず、アストレイアで連続斬りを繰り出す!

「っっっ…」

これを狂奏丸で辛うじて捌く孔雀。

自分が思っている以上の剣速が出て、御し切れていないのか。

狂奏丸は持ち主の意思に逆らい、刃を走らせよう、走らせようとする。

『受け太刀だけなんて生温い』

『機を見て斬らせろ、刻ませろ』

打ち合う刃の音が、そんな狂奏丸の叫びに聞こえる。

その音が不快に思えるのか。

精神力の弱い生徒達は、耳を塞ぎ、体調を崩す者さえ現れる。

遂には。

「うわっ…!」

アストレイアを捌いただけのつもりなのに、その切っ先がシンの顔に!

「くっっっっっっ!」

掠めたのはシンの左の目尻。

涙のように、血が滴る。

その流血が目に入り、視界を遮った所で。

「シン逃げて!」

孔雀の叫びも空しく、狂奏丸の袈裟斬りがシンを捉える!