ゾクリ!
途端に粟立つシンの肌。
黒い刀身が露わになった瞬間、観客席でさえ一瞬息を飲んだ。
あの刀…。
汚らわしく憎々しい、黒爪を何故か思い出す。
人を傷つけ、血を流させ、痛みに呻く姿を見ても何とも思わない、狂気を何故か思わせる。
「何てもの持ってんだ、孔雀…」
「狂奏丸っていうんだ」
孔雀は言う。
「母さんが昔、帯びていた得物でね…血を吸ってるらしい…何人も、何人も…父さんや、母さん自身の血も吸っている」
侍の世界では『妖刀』、シン達の世界では『魔剣』或いは『呪われし武具』とでも呼ぶのだろうか。
好き好んで使う者もいなくはないが、『妖刀』はかの将軍家を祟り、『魔剣』は血に魅入られる。
大抵は曰く付きの代物だった。
途端に粟立つシンの肌。
黒い刀身が露わになった瞬間、観客席でさえ一瞬息を飲んだ。
あの刀…。
汚らわしく憎々しい、黒爪を何故か思い出す。
人を傷つけ、血を流させ、痛みに呻く姿を見ても何とも思わない、狂気を何故か思わせる。
「何てもの持ってんだ、孔雀…」
「狂奏丸っていうんだ」
孔雀は言う。
「母さんが昔、帯びていた得物でね…血を吸ってるらしい…何人も、何人も…父さんや、母さん自身の血も吸っている」
侍の世界では『妖刀』、シン達の世界では『魔剣』或いは『呪われし武具』とでも呼ぶのだろうか。
好き好んで使う者もいなくはないが、『妖刀』はかの将軍家を祟り、『魔剣』は血に魅入られる。
大抵は曰く付きの代物だった。


