「二人とも、準備はいいな?」

龍娘は両者の間に立つ。

「それでは…はじめっ!」

一回戦第三試合開始。

両者は得物を抜刀する。

シンは愛剣アストレイア。

それに対し孔雀は、四季・色彩銘刀"大作"四季。

腰に帯びた、もう一振りの刀は抜かない。

(二刀流で来ると思ってたのに…)

アストレイアを構えたまま、様子を窺うシン。

あの黒い刀身の刀は奥の手なのか。

それとも一刀のみで事足りると考えているのか。

四の五の考えても仕方ない。

「いくぞっ!」

考えるよりも動け。

如何にも『らしい』シンの選択。

間合いを詰めてアストレイアを振り上げると、大上段からの一撃!

この一撃を口火に。

「裏葉(うらは)」

孔雀は連続技を繰り出す。

「柳葉(やなぎは)、松葉(まつば)、青竹(あおたけ)、老竹(おいたけ)、煤竹(すすたけ)」

孔雀得意の、流麗な動きからの六連撃!

これを、シンはアストレイアの素早い振りで全て捌く!