瑠璃一味のお戯れな学園生活

「礼を言うぞ、龍之介」

ビュンと柊を振って返り血を散らす瑠璃。

「あのまま仕留めれば不甲斐ない不肖の倅として敗北していた所を…お前はそうはしなかった…」

「ああ…後悔してるとこだ」

傷を庇いつつ立ち上がる龍之介。

流血しているものの、それほどの深手ではない。

まぁ、臥龍からすれば、という意味だが。

「親父を恨みてぇ気分だぜ。何で丹下 龍太郎似の馬鹿な性格にしてくれたんだか…」

龍之介の腰が深く落ちる。

「お陰で初戦から引き出し幾つも開かなきゃいけねぇ」

「!」

龍之介の気質が変わった事に、警戒する瑠璃。

直後。

「!?」

目前から龍之介が消えた!

縮地の加速からの踏み切りによる跳躍!

そこから。

「ぐうっっっっっっ!」

空中に浮いた状態で、瑠璃の肩口に肘を振り下ろす!

ガーンラバー・ラームマスーン・クワン・カン(爆ぜる斧を撃ち振る雷神)!

その衝撃に、リングの床が数センチ陥没する!