認識を改めていた。

銃を奪えば、弾切れを起こせば。

霸龍闘はそんな相手ではない。

素手だろうが弾切れだろうが至近距離だろうが、オールラウンドに戦える。

リィの前で見せる優しげな少年の素顔の裏に、闘争本能が隠されていたのだ。

つまり、こちらも闘争本能剥き出しでかからなければならない相手!

縦一文字の牡丹一文を繰り出すめのう。

これを、脱力したまま動き続けて回避する霸龍闘。

システマでは個別の技よりも、身体の使い方の原理を習得する事に重点が置かれている。

『呼吸し続ける』『リラックスを保つ』『姿勢を真っ直ぐ保つ』『移動し続ける』の四つが、システマ的な身体の使い方の基本原則。

戦場で培われてきた格闘技は、夕城流の斬撃をも回避させる!

しかし、めのうは動じない。

牡丹一文は元より捨て技。

本命は、下段からの渾身の一撃!