「ぬぅっ!」

高周波ブレードを頭上で構え、シンの斬撃を受け止めたジャック。

その衝撃で、ジャックの足元の石畳に亀裂が走る!

何という力感か。

「お前も人間ではないのか、少年…」

「人間だよっ、勇者だけどな!」

「勇者…」

ジャックは反芻する。

何者かも分からない、得体の知れない人ならざるものであろうジャックに、臆する事なく向かってくる、友の為に戦える少年…。

「成程…確かに勇者かもな」

ジャックの顔に、僅かに笑みが浮かぶ。

「何笑ってんだ!」

愚弄されたと勘違いしたのか、シンのアストレイアを持つ手に力がこもる。

だが、その瞬間。

「「!」」

飛来する12.7ミリ弾の風切り音に気付いた両者は、抜群の反射神経でそれを回避して距離をとる。