瑠璃一味のお戯れな学園生活

抜刀したジャック。

その刀から。

「ん…!」

奇妙な音がするのを、常人離れした五感を持つ龍之介やシルヴィは感じ取っていた。

微細な空気の震動、常人には聞き取れない微かな音。

高周波振動発生機を、剣やナイフなどといった刀剣類に取り付けた武器。

いわゆる高周波ブレード。

振動剣の刀身は超高速で振動し、この振動によって物体を切削する為、通常の刃物を遥かに超える威力を持つ。

或いは高速振動によって発生した熱により、溶断する。

現実にも医療分野で超音波振動メス(ハーモニックスカルペル)が用いられており、模型工作にもプラ素材を切断する為の超振動カッターが市販されている。

だがジャックの持つ高周波ブレードは、原理こそ同じだがそんな科学やSFの産物ではない。

彼の持つ刀から微弱に感じられるこの力…。

「もしかして…これが話に聞いた錬金術の産物…?」

リィが呟く。