瑠璃一味のお戯れな学園生活

「シン…」

その何かに向かって、リィが呼びかけた。

「んん?」

呑気な声とともに姿を現すシン。

「もう完璧みたいだね…拓斗さんの教えてくれた『活歩』…」

「ああ」

当初は発動の『入り』から完了の『抜き』の一連の動作だけで大きく息が上がっていたものだが、今では高速歩法にも随分と慣れ、余計な体力を消耗しなくなった。

体育祭でも活用していたほどだ。

十分に実戦に組み込めるだろう。

「リィはどうなんだ?」

「私もいけそう…部分的に活歩を使えるように、今は最終調整って所…」

「部分的?」

「活歩の動きを早撃ちに利用したりとか…」

「高速歩法のスピードで早撃ちするって事かよっ!」

目を丸くするシン。

この幼い冒険者達は、目を見張る早さで強くなる。

もう『幼い』という括りが邪魔になるほどに。