女の子に追い詰められるなんて。

確かにこれはカッコ悪いと感じたのか。

「だったら俺の本気見せてやるぜ！」

人間相手にとか、女の子にムキになるなんてとか、そんな事を考えていたチーター獣人に火を点けた。

「あっ！」

地面を抉るような踏み込みと共に、めのうとの距離を広げていくチーター獣人。

流石に速い。

どんな獲物でも確実に仕留めるというチーターの面目躍如だ。

めのうも相当本気を出しているのだが、差は広がる一方。

やはり男子…しかも獣人には敵わないのか。

落胆ムードが漂う女子チームだが。

「兄さん」

「うむ」

観戦していた瑠璃と孔雀が言う。

「こりゃあもらったな」

その隣では龍之介もニヤリと笑う。