しかし。

「案ずるな」

瑠璃が鬼龍の下で言う。

「お前一人ならばいいようにやられていたかもしれんが、この俺が共にいる以上、鬼龍に不埒な真似は一切させん」

「る、瑠璃…」

頼もしい瑠璃の言葉に安堵する鬼龍。

「おい貴様ら…」

瑠璃は共に騎馬を組んでいるモブの二人の方を振り向く。

「貴様らも体育祭実行委員の息がかかった連中かも知れんが…俺と鬼龍の足を引っ張るような真似をしてみろ」

父譲りの邪眼が煌めく。

「天神学園にはいられなくなると思え…」

「……っっっ…!」

小刻みな揺れが、恐怖と戦慄の震えに変わった。