その瞬間、スタートラインから三人が消えた。

呆気にとられる観客達。

そして次の瞬間には。

「どこ見てんだ」

三人とも、100メートル先のゴールに立っていた。

常人には見える筈もない。

孔雀は『縮地』、霸龍闘とシンは『活歩』。

それぞれ師から伝授された高速歩法で100メートルを走り切ったのだ。

縮地にいたっては、『地脈を縮めたかのように見える速さ』とまで言われるスピードだ。

スタートの瞬間は勿論、いつゴールしたのかなんて分かる筈もなく。