そんな誤解と勘違いを孕んだまま、天神体育祭はスタートする。

最初の競技は初等部低学年、中学年の50メートル走。

「兄ちゃん姉ちゃん、見ててくれ!おれ、頑張って来るだ!」

シルヴィがグッとガッツポーズを見せる。

「おぅ、シルヴィも咲花も頑張ってな」

シンが答える。

「やるからにゃ一等賞目指せ!一等賞とれたら、二人ともフルーツポンチイスカンダル盛り奢っちゃる!」

「ホントですか?約束ですよ?」

ご褒美がかかるとやる気具合も違う。

龍之介の言葉で気合が入る咲花。