「……」

俯いたまま、それでも微笑む誠一郎。

きっとそんな過去の事を霸龍闘に話しても、彼の事だ。

『流石俺!生まれる前からそんな目に遭ってもビクともしなかったんだな!』

なんて呑気な事を言うに違いない。

昔からこの学園の連中は、どこか感覚がおかしいのだ。

どんな罪でも許してしまう。

どんな過去でも受け入れてしまう。

だから、立ち直ろうと頑張っている者ならば、相手が誰であろうと協力してしまう。

じゃあ誠一郎を、仲間外れにする筈などないではないか。