瑠璃一味のお戯れな学園生活

こぞって、るりるり亭の料理を受け取りに来る客達。

しかし。

「はぁい、これにて終了~♪」

野菊が能天気な声を上げる。

「材料なくなっちゃったよぉ、みんなごめんねぇ」

両手を合わせる野菊を見て、失意の声を上げる客達。

でもまぁ、材料がもうないのでは仕方ない。

別の屋台へ、食糧を求めて徘徊する客達。

客観的に見てゾンビのようだ。

「やー、完売御礼だねぇ」

ニコニコ笑う野菊に、シンも頷く。

個人的には野菊の料理ももう少し味わってみたかったし、まだ食べ足りないのだが、仕方ない。

どこか他所の屋台の料理でも…。

そう思ってエプロンを外したシンは。

「どこ行くのぉ?シン君」

野菊の声で振り向く。

そこには、シュラスコ、サイコロステーキ、ラムチョップなど…一通りの肉料理を盛り合わせた大皿を手にした野菊が。

「終わったらシン君に食べてもらおうと思って取っといたんだけど…いらない?」

分かっててそんな事を訊く野菊の笑みは、まさしく小悪魔的だった。