「牛串出来上がったよぉ!早い者勝ちぃ!」

焼き場から野菊が声を上げると。

「もーらいっ!」

何と同じ屋台内のシンが、牛串に飛びつく。

「うんめぇ!今日一日、ずっと食いたくてたまらなかったんだよなぁ、これ!」

口をモグモグさせながら満面の笑みを浮かべるシン。

既に無礼講だ。

作る専門だった屋台の中の生徒達が、摘まみ食いをしながら料理を提供するという姿も見える。

「鬼龍、胡麻団子はまだ残っているか?」

瑠璃がどことなくソワソワしながら訊ねる。

「大丈夫、ちゃーんと残っているアル」

クスッと笑いながら鬼龍が胡麻団子を差し出したのを見て、瑠璃、安堵の息。