瑠璃一味のお戯れな学園生活

「はぁ?」

「見逃してあげるだぁ?」

カチンときたらしく、止せばいいのに男達の囲みは奏多から孔雀へ。

「お前みたいな女みたいな小僧が、この美人おねいさんの男だっての?」

「だいぶ夢見てない?お前なんか顔がいいから愛玩動物扱いされてるだけだぜ?」

「…じゃあ…」

クスッと笑う孔雀。

「君達は愛玩動物にすらならないね…狆くしゃを好き好んで飼う物好きも、いなくもないけどね」

「ガキてめぇっっっ!」

口の減らない孔雀の胸倉を摑もうとして。

「ぎゃっ!」

男はその手を浅く斬られた。

萌葱(もえぎ)。

皮切りの技、小手試しに浅く斬りつける。

が、小手調べでこの泣き喚きよう…。

「流石…狆くしゃはよく吠える…」

孔雀は冷徹な笑みを浮かべる。

ゾクリと、背筋に走る戦慄。

思わず反射的に隠し持ったバタフライナイフを取り出そうとする複数を。

「斬雨」

孔雀は極意で捌いた。

梅雨の折に習得した、落つる雨粒をも捉える神速の斬鉄。

男達の手にしたナイフが、全て切断される。

刃で刃を斬る。

考えられない技だった。