何も知らない客をカモにして、あくどい稼ぎをしている射的屋。

小悪党なのは相変わらずのようだ。

(何年か前の、あんな銃や射撃に詳しい外国人の男みたいなのが、ゴロゴロいる訳もねぇしな。ただのトーシロー相手なら、幾らでも銭が稼げるってもんだ)

ほくそ笑む親父。

(ほら、またカモがきやがった)

屋台に入ってきた中学生のカップルに、親父は視線を向ける。

「射的屋があらぁ、やってみるか?」

「変わってる…銃を使ったゲームがあるんだね…」

その客が、かつてのラルフのような『凄腕』であるとも知らず。