瑠璃一味のお戯れな学園生活

「もうっ、瑠璃は不器用アルなぁ…」

苦笑しながら、鬼龍が巾着袋から小銭を出す。

「私にも一枚」

「お、今度はお嬢ちゃんが挑戦かい?」

オヤジからポイを受け取った鬼龍は、浴衣の袖を軽く片手で押さえる。

「いいアルか?こうやってポイを横に滑らせるように…」

水面とポイを平行に、静かに動かした鬼龍は。

「ほら」

いとも容易く赤い金魚、小赤を掬い取る。

「おお、見事。あんな素早い金魚を」

瑠璃が目を丸くする。

「まだまだ」

瑠璃の顔を見ながら、鬼龍はクスッと笑う。