瑠璃一味のお戯れな学園生活

などと自分から誘ってみたものの。

「ぬ」

ポイと呼ばれる金魚を掬う道具が、瞬時にして破れる。

ポイは円形のプラスチック枠に和紙が貼られたもの。

紙製である為に、これを水に浸すとふやけて脆くなり、すぐに破れてしまう。

とはいえ、一匹も掬えぬうちに破れるとは。

水槽の中、出目金が嘲笑うようにこちらを見ている。

「親父、もう一度だ」

ニヤニヤ笑う金魚掬いの親父に小銭を払い、ポイを受け取るものの。

「む」

ポイはまた瞬時に破れる。

鬼龍が横で見ているというのに。

「目付きの悪い兄ちゃん、アンタ下手だねぇ」

笑う親父の言葉に激昂し。

「おのれこのような魚類どもなど水槽ごと柊の錆に…!」

「瑠璃!止すアルやめるアル!」

抜刀する瑠璃を、鬼龍が慌てて止める。