その時だった。

弁髪を引っ張られたせいなのか、それともただの寝返りなのか。

「んんんんんん…」

霸龍闘は突然ゴロリと向きを変え、リィの方を向く。

その拍子に、リィと霸龍闘、唇同士が掠める。

「~~~~~っっっっっっ!」

不意を突かれて動転するリィ。

リィほどの精霊使いにして魔銃使いでも回避できなかった、就寝中の霸龍闘の殺気なき一撃!

腕を上げたな霸龍闘、一瞬の隙を突いて致命傷を与えるとは!

「っっっっっっ…」

最早リィに反撃の余力はない。

為す術もなく、かたまるのみ…。