とはいえ、願望はそう簡単に消える訳でもなく。

どこかで実践に移したいと考えているめのう。

幸い龍之介とは、夏休み期間中でも夕城道場での稽古で顔を合わせる時間もある。

チャンスは少なからずあるのだが…。

こう、何というか、面と向かっていきなり愛称というのは難しいものがある。

師匠の善でさえ、橘家のあの御令嬢、うさぎ娘こと花音とは、文(ふみ)のやり取りから始まったというではないか。

そう、いきなり面と向かってが恥ずかしいのなら、最初は文面から始めればいいではないか。

という訳で。