「おあぁぁあぁぁあぁあぁあぁっ!」

シンはアストレイアを握る手に力を込める!

同時に黒爪の腹を蹴り上げ。

「おりゃああぁあぁあぁぁぁっ!」

柔道で言う巴投げの要領で、黒爪を後方に放り投げた!

投げられた拍子に抜ける切っ先。

宙を舞った黒爪の体は、そのまま腐りかけた廃屋の床板に叩き付けられ、床板を突き抜けた!

「リィ!」

シンが振り向いて叫ぶ。

リィは頷き。

「フラウ、ドリアード」

ツンツンした少女の姿の精霊と、蔦を体に巻きつけた少女の精霊を召喚する。

《喚ぶのおっそいのよぉ、リィ!》

喧嘩腰で言うのは、氷の精霊フラウ。

《ハ、ハラハラしましたぁ…》

控え目に言葉を紡ぐのは、森の精霊ドリアード。