そうやってもたついている二人の前に。

「!!!!!」

長い廊下、曲がり角の向こうから顔が覗いた。

細い糸のような、釣り上がった眼。

死人と見紛うほどの青白い肌。

長く黒い髪。

刃物で切り付け、血が噴き出す瞬間を彷彿とさせる口角が歪み、不気味な笑みを浮かべた。

その口が言うのだ。

「みぃつぅけぇたぁ…」

「「いやぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」