「え…」

言われるままに、咲花は野菊の指差した先を見る。

何度も見たいものではない、排水口に詰まった大量の髪の毛。

その中に少しだけ、色の違う髪の毛もある。

こんな暗がりの中でも、目が慣れてくれば分かるのか。

その髪の毛が、茶髪程度ならば判別は難しかったかもしれない。

しかし。

「あの髪の毛…」

それが、黒髪とは明らかに違う、碧色の髪の毛だったとしたら…。

「シルヴィちんの髪と同じ色…!」