瑠璃一味のお戯れな学園生活

「シン先輩とリィ先輩を電話で呼びましたから…来てくれるのを待ちましょうよ」

咲花の提案は賢明だった。

野菊、咲花、シルヴィ。

三人とも、万が一の事があった時に対処できるほどの力はない。

咲花の蹴り技とて、護身術程度に過ぎない。

それを上回る存在に遭遇した時、自身と野菊を守るだけの力はない。

「でも…」

振り向いた野菊の瞳には、涙が溢れそうなほどに浮かんでいる。

「シルヴィちんいなくなっちゃってる…どうしよう…私、シン君に叱られちゃうよ…私がこんな場所に来ようって言わなければ…」

「だ、大丈夫ですよ…シン先輩も野菊先輩の事怒ったりしないですから…」

年上の野菊が見せた脆さに、咲花の不安は大きくなる。

シルヴィは行方不明、野菊は混乱している。

ここは自分がしっかりしないと。

でも、一体どうすれば…?