無論、シルヴィは姿を現さない。

「ど、どこ行っちゃったのかなシルヴィちん…」

野菊が床下から出る。

「あんまり奥まで行ってると、探すの手間取りますね…」

咲花も続けて床下の外へ。

廃屋の中は、意外と広い空間だ。

家具の類が一切残っていない為、余計に広く感じられるのかもしれない。

埃の薄く積もった床が広がり、少し進むと階段。

ざっと見た所、扉は三つ。

「どこから探しますか…?」

「そ、そうだねぇ…」

野菊が順番に扉を見ていた時だった。

「っっっっ!」

突然扉の閉まる音。

二人は飛び跳ねそうなほどに体を震わせた。