黒のタンクトップにショーツだけ。

家にいる時のだらしない格好は、若かりし頃の龍娘そっくり。

あられもない姿でベッドに寝そべって、鬼龍はアイスを齧る。

大体夏休みだ。

普通は有り余る自由時間を、遊びに使うのが学生というものなのではないか。

こないだの拓ちゃんの披露宴の時みたいに海でハッチャケたりする為に、夏休みというものはあるのではないか。

何が悲しくて炎天下の校庭で、踏み込みが甘い!とか怒鳴られなければならないのか。

自慢ではないが、鬼龍はそんじょそこらの不良男子学生よりも、既にずっと強い。

奴らが束になってかかってきた所で、無影脚で蹴散らす自信はある。

身を守る程度の強さは、もう十分すぎるくらいに備えている。