瑠璃一味のお戯れな学園生活

昼を過ぎても、るりるり亭は大繁盛だった。

何がいいって、味もさる事ながら店員の姿。

急遽店を任されたものだから、全員着替える暇がなかったのだ。

女性陣も水着の上にエプロンをつけただけの姿で、店内を動き回ってくれる。

男性客ホッコリ。

「ち、ちょっと野菊、後ろ通るぜ?」

鉄板の前で焼きそばを焼く野菊の後ろを、蟹歩きでシンが通過する。

「ちょっと…シン君狭いよぉ」

肩越しに振り向きながら野菊が困惑顔。

汗ばんだ野菊の背中が、シンの背中に密着する。

(やべ、野菊いい匂いするかも…)

焼きそばじゃない甘い香りに、勇者照れる。

「うーっ、お皿が取れないっ、手が届かないっ…」

高い棚の上にある皿を取ろうと悪戦苦闘するめのう。

その背後から。

「これか?めのう」

彼女に覆い被さるように、龍之介が皿を取る。

後ろからハグされてるみたいで、めのうドキドキ。