瑠璃と鬼龍、シンと野菊、龍之介とめのう、それぞれが微妙な距離感ながら海水浴を楽しむ。

孔雀、咲花、シルヴィの三人が、生暖かい視線でそれを見守る。

「兄さん、姉さん、どうしたの?大人しいね?」

「お、おのれ孔雀貴様…」

「くー君、後で酷いからねっ」

赤面しつつ弟を睨む双子。

一方こちらは霸龍闘とリィ。

「よっと」

霸龍闘は桟橋から海に飛び込み、深さを確認する。

どうやら足が届かないほどの深さではないようだ。

「リィ、ほら」

海の中から手を伸ばす霸龍闘。

「溺れるほどの深さじゃないよ」

「……本当…?」

海が苦手なリィは、心底不安そう。

「大丈夫、俺が手を握っててやるから。何だったらいつもみたいに弁髪握ってていいから」

「……絶対?溺れたら助けてくれる…?」

「絶対!」

「……」

霸龍闘の力強い言葉を信じて、桟橋から飛び降りるリィ。

もう殆ど霸龍闘の胸に飛び込む形。

海に入った途端に霸龍闘に密着するようにしがみ付き。

「っ…だ、大丈夫だって…リィ…」

接近しすぎて照れ隠しに顔を背けつつ、裏声で呟く霸龍闘。