リゾート地といえど、拓斗が日々の鍛錬を怠る事はない。

早起きした拓斗は一時間ほど砂浜、岩場をランニングし、この桟橋まで戻ってきたのだ。

努力の天才は今も健在だ。

「老師なんてお腹出してまだ寝てるぜ」

鬼龍と共に早朝トレーニングに出てきた霸龍闘が言う。

腹出し爆睡部の由来もまだ健在らしい。

「そういえば他の連中はどうしたんだ?」

「瑠璃君達と龍之介君は向こうの海岸で打ち込みしているのを見たよ。シン君とリィちゃんとは、この後鷹雅君を交えて組手の約束してる。龍太郎君は、あっちの無人島の方まで遠泳に行くのを見かけたなぁ」

霸龍闘の問いかけに拓斗が答える。

遠泳って…。

往復6キロはある。

「流石スペシャルバカ…無駄に体力有り余ってるアル…」

鬼龍が胡乱な目…。