桟橋の広いスペースに準備されたパラソルの下のテーブルに、拓斗とペインが座る。

「ほら、龍太郎君も」

小夜が龍太郎の背中を押した。

「え?俺?」

「親友の結婚祝いでしょ?龍太郎君が一番お祝いしなくてどうするの?調理は私と雪菜さんに任せて」

そう言って小夜は龍太郎を椅子に座らせた。

考えてみると、こうして拓斗とゆっくり話すのも久し振りだ。

更にそこに。

「ここにいたのか拓ちゃん」

「あ、拓斗さん、気に入ってもらえた?」

龍娘、そして水着に着替えた霸龍闘と鬼龍もやって来る。

新旧腹出し爆睡部の師弟と、ペインを交えた和気藹々とした雰囲気。

「学生の頃は、こうしてよく話してたよね」

「ああ、稽古の後に地面に直接座って、疲れたぁ、とか言いながらスポーツドリンクがぶ飲みしてたっけな」

笑い合う拓斗と龍太郎。

「今も老師の稽古は相変わらずキツイアル」

「我が子でも容赦なしだもんなぁ」

苦笑いする霸龍闘と鬼龍。

「何言ってんだお前ら」

「そうそう、僕らの時は老師もっと厳しかったよ」

龍娘の厳しさはこんなもんじゃないぞと。

先輩弟子達は早川兄妹を脅した。