瑠璃一味のお戯れな学園生活

そんな空気の中。

「おほん」

水琴もまた軽く咳払いする。

慌てて姿勢を正す拓斗とペイン。

「拓斗さんの言う通りですよ」

水琴は微笑んだ。

「すごく嬉しそうにデザインを幾つも出してましたから、是非彼のやりたいようにやらせてあげて下さい。何なら、ペインさんの方からどんどん要望を言ってあげて下さいね。注文が多ければ多いほど張り切ってくれますから」

「そ、そんな…」

しきりに遠慮するペインに。

「花嫁さん」

キッチンの入り口辺りから、ピョコリと顔を出した五所川原が声をかける。

「お兄ちゃんが呼んでるぴょん。早く来ないと更にドレスのデザインが増えて、選ぶのが大変な事になってしまいそうだぴょん」

「そ、それは大変そうだね…」

さりげなくペインの手を引く拓斗。

「早く行きましょうペインさん、いい加減兄さんを止めないと」

「は、はいっ、拓斗さん」

拓斗の言葉に意見する事なく、従順に従うペイン。

その姿は、早くも良き妻、賢き妻のようであった。