瑠璃一味のお戯れな学園生活

「別に橘の御子息に不満がある訳じゃないのだけれど…」

やたらフリフリのドレス、縦ロールの髪、室内なのに日傘差してるフランス人形風の女性が言う。

喜屋武 ドール(きやん どーる)。

旧姓ユグドラシルフェ。

その名の通り、日本に渡ってきた西洋人を先祖に持つ。

更に突き詰めると先祖は別の世界から現在のこの世界にやってきた異邦人であり、デッドゲイトとかいう魔女の分家の者だったとか何とか。

喜屋武が痛みの魔術を使えるのは、この母親の影響。

喜屋武家預言書『あがすてぃあ』を記したのも、ドールの先祖という話だ。

「何年か前に、天神学園の生徒さん達が我が家に遊びに来た事があったじゃない?あの時に来ていた河童の子…私はあの子が『拓ちゃん君』だと思っていたのよねぇ…かつては神の一柱と言われた河童を彼氏に連れてくるなんて、やっぱり私の子ねぇ…なんて思っていたのに」

お母さん、それ鷹雅です。