思い出すのは、幼き日のシンと自分自身か。

幼少の折、シンもまた霸龍闘のように後ろ髪を伸ばして括っていたという。

弁髪ではなかったものの、当時のシンの髪型は霸龍闘に似ている。

それを思い出し、こうして握っているのは安心するのかもしれない。

霸龍闘に対して、兄の面影を重ねているのかもしれない。

それともう一つ。

クイ、と引っ張ると。

「リィ~…」

困惑しつつも、霸龍闘は肩越しに笑いながらリィを見る。