「毎年毎年、芸がないですの、サタデーナイトフィーバーって」

振袖姿ながらツンデレ気味の娘が毒づく。

身長146センチのチビッ子剣客少女、琴月 琴子(ことづき ことこ)。

残虐な没落武家、琴月出身で、こはくの親戚にあたる。

家を追放されたにも関わらず、幸せな日々を送るこはくの事を酷く忌み嫌い、殺すべく夕城の屋敷に乗り込んだ。

が、翡翠の怒りを買い、ほぼ強制的に連れ込まれ、現在夕城の居候第三号と化している。

愛刀はこはくの得物の一本『狂奏丸』と対になる黒刀『酷奏丸』。

愛らしい見た目とは裏腹に、性格はとにかく狂暴で残酷、闘いを好む…のだが。

「琴子さんも、あけましておめでとう」

めのうが擦り寄ると。

「な、何ですの?甘えても私はお年玉なんてあげないんですの」

少し照れ臭そうに視線を逸らす琴子。

「違います、純粋に新年のご挨拶をと思いまして」

瑠璃も深々と頭を下げると。

「…あら、振袖にお金が入っていましたの…これで何か買えばいいんじゃないかと思いますの」

琴子はぶっきらぼうに双子にポチ袋を差し出す。

『たまたま』『ポチ袋に入った』お金が振袖にあったらしい。

「う、うるさいんですの理事長!」