「貴様が『粋』を語るか…」

鼻を鳴らしながら椅子に座る翡翠。

憮然としているものの。

「まぁ…悪くない」

そう言って軽く目を閉じる。

「花火かぁ」

こはくもクスッと微笑んだ。

「もうそんな季節なんですねぇ…琴子さんや善さんも一緒に、今度屋敷でも線香花火しようか、すー」

「…好きにしろ」

ぶっきらぼうに言いつつ、翡翠は薄く笑みを浮かべた。