しかし。

「まぁまぁ」

こはくが翡翠の袖を引っ張る。

「いいじゃねぇか」

しまじろうも龍娘の肩を叩いた。

「火事にならねぇように屋上でやってるみてぇだし、大目に見てやろうや」

「…甘いなしまじろう、もし火の手が上がったらどうする」

ジロリと睨む龍娘だが。

「そん時ゃ俺のマテバ(水鉄砲)で消してやるさ」

しまじろうはニカッと笑う。

「それに…夏の訪れを告げる花火なんて、なかなか粋でいいじゃねぇか」