「わっ、わっ、私はっ!」

アタフタしながら、咲花は立ち上がる。

耳まで赤いが、動揺を隠す余裕さえない。

「そ、そういうの興味ないですからっ!」

「またまたぁ」

プププと笑う野菊。

「情報によると、咲花ちんのお父さんみたいな細マッチョが好きだって話だけど?」

「誰から聞いたんですかっ?」

「んー、子分ズ?」

「あいつらぁあぁぁあっ!」

怒りで部分人狼化しそうな咲花。

「だとすると…霸龍闘君はリィちんとラブラブだから、シン君か孔雀君なんていいんじゃない?」

ニヤニヤする野菊に。

「そ、そんなっ!体型だけで好きとか嫌いとか選んだりしませんっ!」

動揺のせいか照れ隠しなのか。

自慢の脚力を駆使して、咲花はダッシュでその場を立ち去る。