瑠璃一味の中では、咲花とシルヴィ、龍之介は数少ない人外である。

故に龍之介は、年下の咲花とシルヴィをとりわけ可愛がっていた。

それこそ血を分けた本当の妹達のように。

瑠璃がめのうや孔雀を可愛がるように、シンがリィを大切に思うように。

しかし龍之介には、封印されたままの臥龍という父親しかいない。

お小遣いをもらうという習慣もないし、可愛い妹達に何か買ってやったりするには自分で稼ぐしかない。

だが学生の身だし、ガソリンスタンドやコンビニでアルバイトをするには、この世界での知識に疎すぎる。

となると、使えるのは唯一の取り柄である腕っ節だけ…。