これで校舎玄関には瑠璃と鬼龍の二人きり。

お膳立ては整った。

「あ、る、瑠璃。私、置き傘しているアル」

「何、本当か」

瑠璃が振り向いて鬼龍の顔を見た。

「なら…すまないが入れてくれるか?図々しくて申し訳ないのだが…」

(Excellentっっっっっ!)

鬼龍、心の中でガッツポーズ。

「え、えっと…置き傘は確かここの傘立てに…」

校舎玄関にある傘立てを探す鬼龍だが。

「……あれ?」

いつも置いている筈の赤い傘が、今日に限って見当たらない。

と、鬼龍のスマホに霸龍闘からメール。

『悪い、鬼龍の置き傘借りて帰ったぜ』

(霸龍闘死ねっっっっっっっっ!)

鬼龍大激怒。