「やっぱり鬼龍先輩は、瑠璃先輩と相合傘ですか?」

「ななななな、何を言うアルか」

咲花の発言に分かりやすく照れる鬼龍。

「瑠璃はそういう軟派な事はあまりしたがらないと思うアル…相合傘しようと持ち掛けたら、きっと相手に傘譲って自分は濡れて帰るタイプアル」

「それはそれで萌えるんですけどねぇ」

「そうアル。相合傘がしたい乙女心が分かってないアル、瑠璃は」

この場にいない瑠璃を評してそんな事を言う鬼龍。

まぁ翡翠の旦那譲りの朴念仁だ。

そういう細やかな心配りは、彼には難しいかもしれない。

「それに」

鬼龍は空を見上げる。

「今日は梅雨の晴れ間でよく晴れてるアルしな…」