そんな黒爪の言葉などに耳を貸さない。

めのうは縮地で地を蹴る!

刹那、降る雨さえも、めのうの身を打つ事はできなかった。

雨粒が身に触れるよりも速く、彼女は黒爪の間合いを侵略し。

「奥義」

大振りの夜桜で、急所を下から上へ一気にかっさばく!

「紅縞瑪瑙(べにしまめのう)」

斬られたのは右脇腹から、鳩尾を通って心臓を通過し、左の頸動脈まで。

逆袈裟に走った深い刀傷が、一際激しい血の雨を降らせる!