柄を、握り締める。

小手先の技は、通用しない。

刀傷を幾ら刻み込んだ所で、この男は倒れはしないだろう。

ならば狙うは一撃必殺。

しかも並の人間ならば本当に絶命してしまうような、強力な一撃でなければならない。

いつもはクルクルとよく変わる愛らしいめのうの表情が、消える。

その美貌に浮かんだのは、冷徹な人斬りの貌。

「这个实在美丽(これはまことに美しい)」

めのうのその貌を、黒爪は絶賛した。

「そのような顔もできたのだな、お嬢さん。いや、見誤っていた。やはりあの琴月 こはくの娘だ…俺の最も好む、血の匂いのする顔…」