薙沢家、その脱衣所。

「……」

お風呂上がりの野菊は、ヘルスメーターに恐る恐る乗ってみる。

極めて慎重に。

勢いよく乗れば、それだけで余分な目盛りが加算されるかもしれない…そんなん気のせいだけれど。

目盛りは不安定に、それこそ野菊の心情を表すかのようにユラユラと揺れ、ようやく落ち着いた。

針は、現代の女子中学生としては重すぎず軽すぎずといった、程良い数値を指している。

にもかかわらず。

「太ったっっっっっっっ!」

野菊はツインテールの頭を抱えて絶叫!

その拍子に体に巻いたバスタオルがハラリと落ちたが、そんなん気にしない。