「このまま終わるとは思っていなかったけど…何だありゃあ…」

霸龍闘の膝が震える。

対面した時の威圧感が半端ではない。

バラウールやエレンスゲの迫力も相当なものだったが、あのギータを前にすると、自分が『食われる側の生き物である』という事を思い知らされるようだ。

敵と対面しておきながら、咆哮の一つも上げない所がかえって恐ろしい。

瑠璃一味など、威嚇するにも値しない相手という事か。

「こ、このまま刺激しないように小屋に近づいて行って、野菊先輩を連れて帰れませんかね…?」

咲花が提案する。

戦わずに済むのならば、それが一番だ。

「…よし」

瑠璃、シン、龍之介の三人が歩き出す。

「俺達が野菊を迎えに行く…何かあったら援護頼むぜ…?」