野菊の声に気付いたのか、瑠璃達が顔を上げる。

本来ならば、感動の再会といった所か。

しかし。

「……?」

瑠璃達は駆け寄るような事はしない。

それどころか、目を見開いて身を固くし、その場に立ち止まる。

表情すら、強張らせているように見えた。

「んんんんん?」

訝しがる野菊。

「何やってんのぉ、皆?」

不審に思って小屋から出てきた野菊に。

「野菊!馬鹿っ、出て来るな!」

「中にいて下さい野菊先輩っ!」

霸龍闘と咲花が、何かを指差しながら叫ぶ。

「?????」

不思議に思って振り返った野菊が見たものは。

「ほぇえぇぇえぇえぇぇぇっ!」

恐ろしく巨大な飛竜が、避難小屋の後ろに鎮座する姿だった。