「それにしても…」

小屋の窓から顔を出し、野菊は外の様子を眺める。

天空宮市の都市部を眼下に見下ろす絶景。

流石8000メートル級の最高峰だ。

しかし、そろそろ帰りたいのも事実。

「瑠璃君達、早く迎えに来てくれないかなぁ…」

窓際で頬杖ついて溜息をつく野菊。

そんな彼女の視界に。

「お?」

まだ小さくではあるが、見慣れた仲間達の登って来る姿が映った。

瑠璃一味だ!

「来た!おぉおおぉいっ!こっここっこぉ!」

窓から大きく手を振り、大声で自分の存在をアピールする野菊。