エレンスゲの七つ首、そのどれもがシンの動きに気付いていないようだった。

(いける!)

確信するシン。

この一撃ならば、エレンスゲに確実にダメージを与えられる!

そう思ったのも束の間。

「何っ?」

エレンスゲの七つ首全てが空中のシンに向き直った事に、彼は驚愕した。

シンの活歩に翻弄されていたのではない。

エレンスゲは待っていたのだ。

回避行動が不可能になる『空中への跳躍』を。

地に足がついていない空中では、活歩での高速移動は無理。

つまり、エレンスゲの炎のブレスの恰好の的!