かなり標高の高い所まで登ってきた。

先人達が狩猟の際に残した鎖場などがあるものの、A級狩猟区と呼ばれて名高い天空険道を、登山装備無しでここまで登るとは。

やはり瑠璃一味は規格外の超人揃いだ。

振り返ると、中腹付近である筈のカルデラ湖が小さく見えた。

雲海が広がり、強い風が吹き荒れる。

酸素も相当薄くなってきている筈。

本来8000メートル級の山は、人間の侵入を拒むような過酷な自然環境だ。

なのに。

「風が気持ちいいアル」

何言い出すかね、このメロン乳は。

「野菊ちゃん救出じゃなければ、お弁当広げてピクニックしたいくらいの景色だね」

めのうもヤッホーとか叫びそうな雰囲気だ。

もう少し苦しそうな顔しろ。

お前ら有名登山家に謝れ。