それぞれが武器を手に、ここからは慎重に進む。

「分かってると思うけど…戦闘になったら、霸龍闘とリィは距離を置いて行動してくれよ。お前達は拳銃を持っているから距離を置いて戦えるし、何より装備が軽装なんだ。竜種の攻撃に耐えられないかもしれない」

シンが事前に指示を出す。

リィはその辺は理解しているが、霸龍闘は何処か無鉄砲な所がある。

竜種が相手でも、前へ前へと出かねない。

「分かったよ、シンのアドバイス聞かないと痛い目に遭うのは、野菊が攫われたせいでよく理解したからな」

今回は素直に頷く霸龍闘。

「俺達はどうすればいい、シン」

瑠璃が訊ねる。

斬鉄を使える瑠璃は、硬い表皮を持つ竜種との戦闘で大きな戦力となる。

仲間を危険に晒すのは好きではないが…。

「瑠璃、孔雀、めのうは俺と一緒に接近戦だな…無理はしないでくれよ。素手の龍之介や咲花、鬼龍もだ。天神学園の人外魔物と違って、竜種は本気で命を奪いに来るからな」